内閣・政府一時分割論

2011年3月16日

現在日本は2大問題に直面している。一つは被災者へ食糧、水、毛布、燃料、医薬品などを届けること。報道ではまだ多くの場所で充分な物資が届いていないという。寒波で非常に寒い日が続くそうだし、震災からもう何日も経つので、疲労も激しいだろう。そしてもう一つは福島第1原発。

どちらも政府が全力をもって対応しなければならない事態。この非常事態には、首相と一部主要大臣を除いた内閣・政府を事実上2つに分けて、それぞれに専念できるようにすることはできないだろうか。節電啓発等担当大臣や災害ボランティア活動担当内閣総理大臣補佐官などを任命しているので、たとえば物資の流通を担当する大臣と原発への対処を担当する大臣(すでに東京電力に詰めている統合対策副本部長の海江田氏)を任命する。各々、指揮系統を確立して、情報の収集と開示に努め、刻々と変わる状況に臨機応変に対応し適切な指示を出せるようにする。

もちろん首相は両問題において指揮する立場にあるので、全体像を把握して、適切な指示を出さなければならないし、2分された内閣・政府が緊密に連繋できるようにしなければならない。だが首相は、目立つ陣頭指揮ではなく、総大将らしく構えるべき。そして多くの物事の場合、最終的に決断するのは首相である。そのとき、大局を見渡せているかが大変重要となる。