これまで『英国』について書いてきたが、『英国』とは便宜上使用しているだけで、実は British / Britain を正確に和訳できないものかと常に悩んでいる。カタカナで『ブリティッシュ・ブリテン』というのも面倒で語感が悪く、一方正式名称『連合王国』(United Kingdom)と毎回書くのも何となく重苦しく感じられるので、仕方なく『英』・『英国』としている。なぜ悩むのかというと、『英』は English / England の訳だと思っているからだ。『英国』は多民族・多宗教、そして多言語の国でもある。ウェールズではウェールズ語(Cymraeg)が英語と共に公用語で、すべての公的文書や標識は2カ国語でなければならない。写真はリンク先にあるのだが、以下のように2カ国語で表記されている。
英語:No entry for heavy goods vehicles. Residential site only.
ウェールズ語:Nid wyf yn y swyddfa ar hyn o bryd. Anfonwch unrhyw waith i’w gyfieithu.
市道路局が翻訳者に英文のウェールズ訳をメールで依頼したところ、上記のウェールズ語の返事が届き、担当者は英語と同じ意味と思い、標識を作成し設置した。しかしこのウェールズ語の文は「ただいま席を外しております⋯⋯」という不在通知メールだったことが発覚し、この標識は撤去されたという。