現時点、全ての選挙区での結果が判明しているわけではないが、自民党の衆院単独過半数は確実という情勢で、2009年総選挙のように振り子が大きく揺れて、自民党と民主党の立場が逆転したとも言える。今回の振り子の揺れは前回以上だが、小選挙区主体の制度では、起こりやすい現象だろう。さて、今回の結果は有権者が自民党を積極的に支持するというよりも、民主党に対しての不信任を示したとも言えるかもしれない。
中小政党乱立の選挙となった今回、注目されたのはどの政党が「第三の極」となるかだったかもしれない。どうやら日本維新の会がその極となりそうだが、個性が強く政策面でもどうも違いがありそうな橋下氏と石原氏が、今後協力することができて、政党として一枚岩で国政に臨めるかどうか、まだまだ予測がつかないと思う。一方、小沢氏が属する日本未来の党は苦戦していて、比例区でどれだけ得票できるかが鍵となっている。
もっとも民主党の惨敗により、第三の極というよりも、結果としては、1大政党(自民党)に対して、2中政党(民主党と日本維新の会)と多数の小政党が犇めく国会となる。政治、そして国にとって、強い野党は必要な存在。それは政権を監視することや、次期政権としての地ならしを意味する。どの政党がその野党の役割を果たすだろうか。民主党そして日本維新の会の真価が問われるのは、次期国会でどのような行動を取るか。強い野党が出現するだろうか、それとも離合聚散となるだろうか。