議席減、そして都議会での自民党と公明党の過半数割れもあるが、自民党にとってより心配なのは投票率が上がったこの選挙での得票率だろう。
東京都選挙管理委員会ウェブサイトの開票結果をもとに計算したところ、全選挙区の総投票(563,4315票)の内、民主党の得票率は40.8%(229,8492)、自民党25.9%(145,8107)、公明党13.2%(74,3427)、共産党12.6%(70,7601)となった。この数字は公認のみであり、支持あるいは推薦された無所属の立候補者や、民主党に近い東京・生活ネットワークを含まないので、実質的な民主党支持率はもっと高いと見てよい。現政権の自民・公明両党合計しても39.1%で民主党に及ばない。
もちろん、この都議選の結果だけで、次期総選挙の結果を予想することはできないが、国政と麻生政権の行方に大きな影響を与えることは必至で、自民党は短期間に支持率を回復できるかが死活問題となる。
【追加 | 2009年7月13日】この選挙は、民主党が積極的支持を得て勝ったのではなく、反自民党票の多くが民主党に流れたと考えてもよいだろうか。公明党は支持基盤を充分に活かし、投票率が上がっても全員当選を果たした組織力があった。一方共産党は浮動票と反自民党票が民主党に流れ、多くの立候補者を擁立したため、公明党のように票を要所に集めることができず、得票率と議席獲得数に隔たりがあった。
【注】選挙管理委員会発表の合計と差異があるが、上記の数字は選挙区ごとの各候補の端数を切り落とした確定得票数をすべて足したもの。もちろん、計算に間違いがある可能性もある⋯⋯。