政治と言葉 | 社会常識が欠落しているのは⋯⋯

2008年11月22日

麻生首相はどうやら思いついたことをすぐに口にしてしまうようだ。政治家にとって言葉は命のはずだが、漢字を読み違え、道路特定財源を一般財源化し自治体に交付税として配分することや郵政会社の株式売却凍結などの政策の二転三転修正撤回が多い。

また最近、医者のなかには「社会的常識がかなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値判断が違う」と断定している。記者の質問に対し「お医者さんってのは、なったのおれの友達にもたくさんいるんだけど、あのー、なんとなく、そう言った意味で、なんとなく、ちょっと全然、話とか意見が全然おれとは波長が合わないやつが多いなと。友達多いせいか、そう思ってまして、うちも医者がいっぱいいますから、そう思っていて、何て言ったんだって? ちょっと今覚えてねえけど」と答えている。どうも要領を得ないが、麻生首相は医者の友人と波長が合わないとのこと。まるで麻生首相の常識が社会の常識と言っているようなもので、医者の多くが麻生首相の医学界の友人と同じ価値判断を共有しているという前提で話をしている。どの職にも社会常識に欠ける人間は必ずいて、例えば大学にも変人奇人の類が結構いる。医学界に法曹界や大学の研究者と比べて社会常識欠落者が「多い」か「少ない」か、私には知る術がない。

さて政治家の社会常識はいかほどだろうか。