以前『政治と言葉 | 命懸け』に、現在の日本には「政権担当能力がない政党と政治家だらけとも思ってしまう」と書いたが、これほどひどくなるとは予想だにしなかった。一部で囁かれているように、日本という国が早々滅ぶなどということはない(と願う)が、政治的指導力が最も必要とされているときに、現在のような政治主導ならず政治不在の漂流ぶりは目を覆いたくなる。議院内閣制なので、立法府で信任を得る必要があり、与党の結束が政府の政治主導による政治には欠かせない。その与党民主党が内紛状態。そしてその理由もこれからの国をどうするかという政治政策の大議論というよりも小沢氏という個人と勢力について。
多くの有権者が期待した民主党。選挙に勝ったが、政権奪取は政党として行いたいことを実行するための必要条件であって、目的ではない。まるで政権交代がかなって、目標を達成したという思い違いがあったような。まず「宇宙人」的な抽象論が先行して具体性に欠け、ぶれにぶれたあと、辞めた鳩山由紀夫氏。最近また現れては顰蹙を買っている。菅現首相も党内のごたごたがあったとしても、尖閣諸島や北朝鮮の砲撃などに際しての危機管理においては後手後手に回っていて、もし何か起きたら果たして大丈夫だろうか。
民主党がダメならば自民党というわけでもなさそう。民主党の支持率下降と不支持率上昇は、自民党の支持率の大幅上昇には繋がっていない模様。自民党を見限った人は多く、谷垣総裁率いる党に有権者を再び引き寄せるほどの魅力があるだろうか。民主党、自民党ともに政権担当能力なしと思われているのかもしれない。
蛇足:「政界再編、政界再編」と言っても同じ政治家がある党から違う党に移ったり、新しい党を立ち上げたりと、ただ看板だけ変わっているという印象が強い。