郵政民営化見直し? これでは政治不信になる

2009年2月6日

世界的不景気で政治が滞ってはいけない時期での、麻生首相の求心力低下は非常に危険だろう。しかし麻生首相は墓穴を掘っているような印象を与える。

現在のような時期にあってしてならないことは、政策を矢継ぎ早に変えること。しかしこれまでも定額給付金に所得制限を設けるべきかどうかや消費税増税の是非など、麻生政権はあまりにもぶれる朝令暮改で内閣・与党内不一致の様相を呈している。

これらは先の衆議院選挙以来の問題であるが、今回郵政民営化の見直しを示唆しているらしい。これはいくら何でも問題がありすぎる。2005年総選挙は小泉元首相が郵政民営化は掲げ、この問題について賛成反対という鮮明な構図をもって勝利を収めたので、公約であり選挙なしでの根本的軌道修正は民意に背く。そして議院内閣制など関係ないとでも言いたいのか、麻生氏は当時総務大臣だったが郵政民営化に反対していたという。そうなのであれば、その時に反対し辞任するあるいは罷免されるべきだった。いくら反対だったため旧郵政省を管轄下に置いていた総務省の大臣にもかかわらず郵政民営化担当から外されたとしても、最終的に小泉内閣の一員として賛成したところで責任が発生する。いまさら賛成しなかったと言われても、郵政民営化関連法案は閣議決定・内閣提出法案という形を経たものだったので、麻生首相にはその当時の内閣の一員として賛成し立案した責任がある。それを総選挙なしで覆すのであれば、世が政治不信になっても仕方がない。

それでも日本という国は何とかなるだろうか⋯⋯。