以前、ドイツ連邦議会に5会派(キリスト教民主・社会同盟、社会民主党、自由民主党、緑の党、左翼党)の議員が選出されて、過半数形成を難しくしたと書いた。5会派あると、大連立か3党連立という組み合わせが多くなるとも思えるが、現在はキリスト教民主・社会同盟と自由民主党という2会派の「黒黄」連立政権。これは、自由民主党が、前回2009年の総選挙にて、支持を大幅に伸ばしたことにより可能となった。現在の連邦議会は、来年2013年に任期満了となり、解散される。現在の世論調査を見ると、自由民主党は連邦議会で議席を得るのに必要な得票率5%に届かない状態にある。昨年の多くの州選挙では、緑の党が支持を得たが、最近の州選挙で目立つのが海賊党の人気ぶり。昨年9月のベルリン市議会選挙で海賊党は8.9%の得票率、そして今年3月のザールラント州選挙でも7.4%の票を得た。自由民主党は5%に届かなかった。
次のドイツ連邦議会は、自由民主党に替わり、海賊党が議員を送る5政党制となるだろうか。大政党であるキリスト教民主・社会同盟または社会民主党が、左翼党あるいは海賊党と連立を組むとは思えないので、緑の党との連立で過半数でなければ、再び大連立となるかもしれない。まだまだ時間はあるし、自由民主党が党勢回復となるかもしれないし、海賊党の支持は、既存政党に対する不満の捌け口であって、一時的なものかもしれないので、なんとも予想がつかないが、傍から見ると、ヒヤヒヤするというか、面白いというべきか。