PK戦

2012年5月21日

先日のチャンピオンズ・リーグ決勝はPK戦で決まった。ドラマとしては面白いかもしれないし、観ていてハラハラしたが、どうもPK戦で結果が決まることは好きになれない。試合の中での反則によるPKなら特に問題だとは思わない。なぜだろうか。あまり考えたことはなかったが、どうもチーム・スポーツであるはずのサッカーが1対1の勝負で決まるのに、違和感を覚えるのだろう。

サッカーはチーム・スポーツ。だからと言って、個人の力量が試合に関係ないというわけではない。例えば、素晴らしいゴールを決める選手もいれば、ゴール間違いなしというようなシュートを止めるゴール・キーパーもいる。しかし、個人の力量はチームという集団の中で発揮され、もし集団のレベルが低ければ、いくら個人が優れていようとも、できることは限られてしまう。チームで、ピッチやフィールドなどの空間とルールの中で、点を決めるスポーツの多くは、得点の機会となる時間と空間をどうやってチームが連携して作り出すかによる。例えばサッカーならば、どうやってパスを回し、オフ・サイドにならず、守備選手を振り切ってシュートの機会を作り出すことが重要になる。

これに対し、チーム・スポーツであっても、1対1の側面が強いスポーツも多くある。例えば、野球。野球はもちろんチーム・スポーツだが、その中でも投手対打者という、1対1の勝負という構図で語られることが多い。どうすれば投手は打者を打ち取ることができるのか、どうすれば打者は投手を攻略できるか、というように。もちろん捕手のリードもあるし、走者がいるかいないかで打者の作戦は変わるだろうし、野手のエラーの可能性などもあるが、基本的には、投手か打者がこの1対1の勝負に勝つことになる。

別に大したことではないのだが、やはりサッカーの試合は90分以内に決まるのが一番だと思っている。今年ポーランドとウクライナの共同開催の欧州選手権では、PK戦で決まる試合があるだろうか。