翻訳とインターネット活用術

検索対象のサイトを絞り込む

翻訳のさい、定訳や用例があるか、よくインターネットで調べる。ただ、ウェブ上に例があるから、すなわち正しいというわけではない。そして、用例の載っているブログやウェブサイトの信憑性を判断するのは難しい。

そのため、検索エンジンを利用するとき、ドメイン名が go.jp で終わる官公庁のウェブサイト、そして ac.jp で終わる教育機関のウェブサイトを中心に検索することが多い。つまり「原語」と「訳語」に site:go.jp あるいは site:ac.jp で検索する。このように site: を使うと、そのサイト内のみ検索する。もっと限定しようと思えば、例えば外務省のみだと site:mofa.go.jp で、東京大学だと site:u-tokyo.ac.uk というように。もちろん、官公庁あるいは大学のウェブサイトに載っているからといって、必ず信頼できるということではないが、確率として、定訳あるいは正しい訳が利用されていることが多い。また Google 書籍検索も利用する。出版物なので、ブログやサイトよりも高確率でしっかりとした編集・校正・校閲などの過程を経ているので、より信頼できる。

ただこれらは、あくまでも正しい確率の高低や信憑性の程度であって、最終的には翻訳者が判断しなければならないし、そのような場合には直観に頼ることもある。この直観はやはり翻訳作業を重ねることつまりは経験で培われ、常に身の回りにある言語や言葉に敏感であることによって研ぎ澄まされる。そのため、もうちょっと直観力があれば、もうちょっと直観力が働いてくれればと、翻訳をしていると自分の足りないところを実感してしまう場面に遭遇することが多い。